2018年06月03日

憲法講演会開催される  2018/05/27

暑すぎず、寒くもなく…丁度良い日和に恵まれた5月27日、名寄市民文化センター多目的ホールで上田文雄弁護士(前札幌市長、道央法律事務所)と畑地雅之弁護士(旭川市あかつき法律事務所)を招いての「憲法講演会」が開かれました。憲法講演会実行委員会(代表委員:奥村英俊名寄市議、熊谷吉正名寄市議、佐久間誠名寄市議)の主催で、200名余りの市民が参加し、第一部のDVD「9条改憲って何?」(憲法共同センター製作)を視聴し、第二部では、上田文雄弁護士と畑地雅之弁護士の講演&対談。第三部は質疑応答〜会場の市民の声からの三部構成。13時30分から2時間、平和憲法がいかに大切か、現在の改憲の動きがいかに危険なものかについて、熱のこもる時間を参加者一同共有することができました。
憲法講演会は、同事務局長の竹中憲之さんの司会ではじまり、主催者を代表し奥村英俊代表委員から「安倍改憲NOの3000万人署名の成功と、日常生活の中に憲法をどう活かして行くか、講演・対談を通して実りある講演会に」との挨拶を受け、第一部のDVD上映(12分)が行われました。
「9条改憲って何?」のコンパクトにまとめられたDVD上映では、改憲を許すと新しい条文が生きることになり、「国防」と仮に憲法に明記されると、次々と人権抑圧に道を開いてしまう。後方支援による兵站(へいたん)などを担うのは相手に狙われる最も危険な任務であること、元・自衛隊員で軍事研究家の井筒氏によると、ミサイルの迎撃は無理であること、仮に国会議事堂にミサイルが撃ち込まれれば、70km圏域が殲滅(せんめつ)させられることなど、現在の安倍政権が進めようとしている憲法改正の動きが極めて危険な領域に足を踏み入れようとしていることが如実に映し出されました。
第二部の講演&対談では、上田文雄弁護士と畑地雅之弁護士がトークする形で進められ、憲法9条1項、2項の空文化の動きに「恐ろしい提案であり危険」と警鐘を鳴らすとともに、「自衛隊員は雪祭りや阪神大震災などで貢献してもらっている。だが、国を守るという意味合いはちょっと違う」「隊員は志の高い人。国民の役に立ちたい、国土を守りたいと活動している」日常の地域貢献に力を尽くしてくれている自衛隊が、どういう任務を果たすのか?「何をやれるのか、何をやったらだめなのか、どこにも書かれていない。実力行使の限界について、隠してしまっている。」と指摘しました。
また、現在の各政党の考え方として「専守防衛」に大方の一致として落ち着くようになっていた。だが、2015年7月15日の安保法制の強行採決で集団的自衛権を認めたことにより、説明のできない状況になっている。同盟国が攻められた場合でも良いのか、自衛権の発動の限界線があいまいで、日本は自立的判断ができなくなっている。米とタッグを組んで日本の自衛隊が世界で活動する事を国民は望んでいない。安保法制によって自衛隊の役割が拡張された。憲法による規制にほころびができてしまった。専守防衛と言っていたのに、急に世界で活動せよというのは「労働契約法違反」ともいうべきもの。
また、他国から見れば自衛隊は「軍隊」だが、現地の人を仮に殺傷してしまった場合、軍隊の行為だと免責されるが、自衛隊の場合、軍隊ではないわけで微妙な立場に置かれる。法体系から見ると「ブラック企業」そのもの。
自衛隊員の人権を守る、日米防衛のガイドラインが国会にはかられていない。実質的に踏み込んでしまっている日本特有のもの。
米の後方支援として兵站(へいたん)を担うという一番危ない仕事をさせられていることを認めてしまった。
「防衛費」はGNP比1%と5兆円ほどで抑えられていた。憲法9条と矛盾する装備は認められない、必要最小限の「実力組織」と、財務省はこれまで歯止めをかけるなど一定の役割を果たしてきたが、それらが危うくなってきている。
今、軍事費を10兆円にしようと部会で話がされている模様だ。将来の財政が縛られる。国民のために使うべき予算がなくなってしまう。
侵略されたらどうするかとの疑問に対して
皆さんは、署名を集めていて「では、日本が攻められたら、侵略されたらどうするのか?」と問われたことはありませんか。
無抵抗でゼネストにより対抗する、警察力で、必要最小限の抵抗はできる。
「専守防衛」のライン以上のことが起こらないような政治をやっていく事が必要だ。紛争が起こらない様な政府を作る。紛争はどんな時起きるのか?
石破さんは、侵略される原因を何も語っていない。
「武力解決はしない」という国をどうつくるか?
ODAで1.5兆円の予算(今は5千億円)を使い、日本は海外援助で技術を伝えている。そうした国からタマは飛んでこない。
仮想敵国をつくり脅威を煽っている。対話の努力が必要。
日本がやってきたこれまでの戦争は全て「自衛のため」となっている。全て乱用だった。
9条が変わると、人権侵害の情報操作が起こる。国民は、平和の中に生存する権利がある。憲法12条は「自由及び人権は不断の努力によって保持しなければならない」と規定される。あるだけでは守ってくれない。一人一人の努力が必要だ――と、3000万人署名運動の重要性を強調された。

第三部 質疑応答 A氏・街頭で署名を集めていたら意見を言ってくる人が増
えた。宣伝で自衛隊員の命を守らなければならないと言ったら、「自衛隊員は、仕事で入ったのだから『命を守る』というのは変ではないか」と言われた。深い話はできなかったが、国民の意識は変わってきていると感じた。学校で憲法の話をきちんと教えていないのではないか?現代史で原爆のところまでいかないのではないか。教育の役割は大切だ。自衛隊65周年武装パレードの中止を求めて駐屯地に要請文を持っていったが、入り口での対応で玄関払いだった。
B氏・自衛隊65周年武装パレードの通り道の町内会に居住しているが、パンフレットが回ってきた。4枚の写真は戦場そのもの。お金をかけて無料で配布している。

講師まとめ 議論をしっかりしていこう。何もしないのが一番怖い。多様性を認めつつ、悩みながら決めてゆく。それが民主主義だ。
高校生に「戦争ってどうやって始まるんですか」と聞かれた。答えると「じゃあ、戦争ってどうやって終わるんですか?」とまた聞かれ、「話し合って文書交わして、終わる」と答えると「そうすると、最初から話し合いで、文書交わして戦争しない方がいいですね」と語った。こうした視点にきづかされることが多くある。身近な問題から、民主主義を広めていくことの大切さが強調されました。
(感想)
名寄では「憲法講演会実行委員会」が組織されており、立憲民主党、社民党、新社会党、平和フォーラム、連合、高齢者退職者連合などが構成団体となっています。今回は、「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」の取り組みを広げるために、5月6日から三回の市内中心部での街頭宣伝を行い、この度の「憲法講演会」開催の運びになりました。
当日の名寄市は、アスパラまつりが開かれており、近隣市では運動会が行われたり行楽シーズンで家族旅行など組み込まれていたり「さてさて、どの程度の市民が集まっていただけるか」…と、気をもんでいましたが、たくさんの方に会場にお集まりいただき、心からお礼申し上げます。
自衛隊基地を抱える名寄市ですから、多くの市民が自衛隊隊員と何らかのつながりがあります。隊員の皆さんの日常的な地域貢献に支えられていますから、訴え方も気を使う訳ですが、やはり「隊員の命や安全を守ってゆく、市民の平和な生活を守ってゆく」そのために私たちは活動を続けて行かなければなりません。嘘やごまかしで自衛隊を戦場に送らせる訳にはいきません。
「多様性を認め合いながら、悩みながら民主主義を広めてゆく」、多いに学ばせていただいた講演会でした。ご多忙のところ、貴重なご講演をいただいた上田文雄弁護士と畑地雅之弁護士に、心からお礼申し上げます。

【文責:佐久間誠  ※メモに基づく要旨であり表現の違い等はご容赦下さい。】
(2018/05/29)


posted by makoto at 16:33| 日記